ボーナスは、なぜいつの間にか消えるのか

ボーナスが入った月は、少し気が大きくなります。ちょっといい外食、気になっていた家電、子どもの服。ひとつひとつは必要なものでも、気づけば口座の残高は元どおり。「あれ、ボーナスってどこに行ったんだっけ」となるのは、よくある話です。

これは、本でいう「犯人④ 行き先のない余り」の典型です。使い道が決まっていないお金は、「使っていいお金」に見えてしまいます。しかも、ボーナスはまとまった額なので、気が緩みやすいのです。

対策はシンプルで、振り込まれる前に行き先を決めておくことです。

共働きのボーナスで起きやすいこと

財布が別々の夫婦では、ボーナスにも特有の「あるある」があります。

  • お互いのボーナスの額を、なんとなく知らない
  • 片方はボーナスを家のために使い、もう片方は自分のために使っている
  • 「旅行代は相手のボーナスから出すはず」と、お互いに思っている

どれも、どちらかが悪いわけではありません。ボーナスの扱いを、ふたりで決めていないだけです。決めていなければ、それぞれが「自分なりの正解」で動くのは自然なことです。

「4つの入れ物」に分けて考える

ボーナスの行き先は、たとえば次の4つの入れ物で考えると整理しやすくなります。

入れ物中身の例
家族の目標旅行、進学の準備、住み替えなど、ふたりで決めた目標の貯金
暮らしの備え家電の買い替え、車検など、年に1回くらいの大きな出費
ふたりの楽しみ家族の外食やお出かけなど、今を楽しむためのお金
自分のごほうびそれぞれが自由に使えるお金

ポイントは、「自分のごほうび」の入れ物を最初から用意しておくことです。全部を貯金に回すと決めると、がんばった実感がなくて続きません。自由に使えるお金があるからこそ、ほかの入れ物のルールを守りやすくなります。

割合の決め方の例

割合に正解はありません。わが家の状況に合わせて決めます。考え方の例を挙げます。

  • 目標がはっきりしている時期:「家族の目標」を多めにします。
  • 大きな出費が近い時期:家電の買い替えなどが見えているなら、「暮らしの備え」を厚めにします。
  • ふだんの家計が苦しい時期:毎月の不足をボーナスで埋めているなら、まずその分を確保してから、残りを分けます。

金額ではなく割合で決めておくと、ボーナスの額が変わってもそのまま使えます。また、ボーナスからも税金や社会保険料が引かれるので、手取りは額面より少なくなります。割合は、実際に振り込まれた手取りに掛けて計算しましょう。

夫婦でどう出し合うか

共働きでふたりともボーナスがある場合、出し合い方は、共通の財布の型に合わせると決めやすくなります。

  • A 定額型の夫婦:家族の入れ物に、それぞれ同じ額を入れる
  • B 割合型の夫婦:ボーナスの手取りの割合に応じて入れる
  • C まとめ型の夫婦:いったん全部を共通の財布に入れて、そこから4つに分ける

片方にしかボーナスがない場合や、額に大きな差がある場合は、B 割合型の考え方の方が、不公平感が出にくいでしょう。どの方法でも、「自分のごほうび」はそれぞれに残しておくのがおすすめです。

「家族の目標」の分は、先に分けてしまう

ボーナスが入ったら、まず「家族の目標」の分を目標用の口座へ移します。残ったお金で、ほかの入れ物を分けます。毎月の先取り貯金と同じ考え方です。

目標まであといくら必要かが分かっていると、ボーナスから入れる額も決めやすくなります。目標の先取り貯金の逆算で、目標額と今あるお金を入れると、毎月の額と合わせて考えられます。

臨時収入も、同じ入れ物で

思いがけず入ったお金も、同じ4つの入れ物で考えられます。たとえば、フリマアプリで不用品が売れたお金や、ポイントの払い戻しなどです。

小さな額なら、全部を「ふたりの楽しみ」に入れて、家族で使ってしまうのも一つの方法です。思いがけないお金で楽しい思い出ができると、次の家計会議も前向きになります。

子どもがもらったお祝いやお年玉は、子どものためのお金として、家計の入れ物とは分けて考える方法もあります。どう扱うかを、ふたりで一度決めておくと迷いません。

話し合いは、ボーナスの前の家計会議で

ボーナスの使い道は、振り込まれてから話すと、すでにそれぞれの頭の中で使い道が決まっていて、話がこじれやすくなります。おすすめは、ボーナスの前の月の家計会議で決めておくことです。

  1. 今回のボーナスで、家族として何をしたいかを話す
  2. 4つの入れ物の割合を決める
  3. 振り込まれたら、誰がどの口座に移すかを決める

一度決めた割合は、次のボーナスでもそのまま使えます。毎回ゼロから話す必要はなく、「前回と同じでいい?」と確かめるだけで済むようになります。

なお、ボーナスをどの金融商品で運用するか、保険に回すかといった個別の判断について、このサイトではお伝えしていません。必要なときは、専門の窓口で確かめてください。